ごどいもって知ってますか?
西日本では大雨、山形県内でも一時的な豪雨があったようですが、こちら飛島では雨の降らない日々が続いています。ようやく今、雨が降り始めました。今年はまとまった雨がなく、畑の作物たちも元気がありません。道路沿いを歩くと飛島の特産品である「ごどいも」が見られますが、みな首をうなだれているように見えます。生物の基本はやはり水、恵みの雨という言葉をひしひしと感じています。この雨で生気を取り戻してほしいです。
ごどいもと飛島
さてこのごどいもとは、飛島で採れる男爵いものことです。飛島で最も慣れ親しまれている野菜と言っても良いでしょう。島の土壌が生育に適しており、ほくほくのいもに育つのだそうです。3月の半ばになるとお母さんたちがそわそわし始め、「今年はいも何kg植える」「晴れたら畑さ行かねばね」という会話があちこちで聞かれます。そして植え付けが終わると「あ〜、いも植えたばゆっくりした」と皆声を揃えます。ごどいも植えは春の知らせです。
ごどいもは昔から飛島の食生活を支えてきました。家族構成人数が山形県内でトップ(一軒あたり平均9.8人)だったという記録もある飛島では、食料の確保は優先事項で、お嫁さんの大事な仕事でした。島の人は皆「昔はもっと山がきれいだった」と言います。限られた土地を耕し、余すことなく畑を作って作物を育てました。中でも、ごどいもと大豆は大きな比重を占めていました。ごどいもを収穫したら、かごいっぱいに背負って山を下ります。この時「ごどごど」と音がするため「ごどいも」と名がついたそう。ごどいもの食べ方は様々あり、それは今日も変わっていませんが、中でも代表的なのが「いもの塩煮」。ごどいもを塩茹でしただけのシンプルな食べ方です。鍋で茹でる時も「ごどごど」と鳴るので、これも由来のひとつだそうです。
はやく食べたい!ごどいもの「はちまき」
それと面白いのが、「はちまき」という皮の剥き方。その名の通り、いもがはちまきをしているかのようにぐるりと一周皮を剥きます。こうすることで火の通りが早くなり、茹でた後に皮を剥く時も簡単になります。
いもの塩煮は繁忙期の昼食として、子供たちのおやつとして、目立ちこそしませんが重要な役割を担ってきました。現在でも、ごどいもは島の人々の生活に寄り添っています。来月中旬以降、ごどいもの収穫が始まります。ほくほくの新ごどが楽しみです。